iPadユーザーなら雑誌読み放題「dマガジン」は絶対おすすめ
2015/12/12
今年の1月に購入したiPad Air2。もっぱら電子書籍の閲覧端末として大活躍中なのですが、Retina対応のiPadを使っているのであれば絶対利用すべきサービスが、ドコモの提供する雑誌読み放題サービス「dマガジン」です。月額400円(税抜)で120誌以上読めるので(2015年3月現在)、読みたい雑誌が2〜3誌あれば十分に元が取れます。
雑誌のジャンルはかなり幅広いので読みたい雑誌は必ず見つかるはず
購読可能な雑誌の一覧はこちら。
120誌もあるのでさすがに全部はチェックしていませんが、自分の場合、だいたい10数誌ほどチェックしています。いま定期的にチェックしているのは、このあたりです。
- 「Pen」
むかし紙の雑誌を読んでいたので。扱うジャンルのバランスが自分の好みです。 - 「FRIDAY」「サイゾー」「SPA!」「FLASH」
下世話な情報を仕入れるために。 - 「山と渓谷」
登山情報チェックに。あまり登れていませんが。。 - 「NewsWeek」「AERA」「週刊現代」「週刊朝日」
ニュース系の週刊誌ということでチェック。あと文春があるといいですが。 - 「Tokyo Walker」「Yokohama Walker」
休日の外出先を検討するため。 - 「ファミ通」
むかしほどゲームは買わないのですが、PS4情報をチェックするため。 - 「週刊アスキー」
むかし購読していたので。ウェブよりは情報は古くなりますが、やはり情報はよくまとまっています。 - 「MacFan」
ラインナップからするとMac専門誌が入っているのはなんとなく唐突感があるのですが、無論読みます - 「週刊ダイヤモンド」「東洋経済」
これと合わせて別で購読している「日経ビジネス」とで、いわゆるビジネス誌で取り上げられる話題を網羅。
これだけ読めて月額400円(税抜)なので、完全に元は取れますね。これ以外にも特集によって読む雑誌もあるので十分すぎるほどです。
紙版から削られている記事もあるが概ね1冊丸ごと読める印象
雑誌によっては、紙版から割愛されている記事があるようですが、上記の雑誌に限って言うとほとんど気になりませんでした(元を読んでないので当たり前といえば当たり前ですが。。)。厳密に付き合わせたわけではありませんが、ボリューム感としてはお試し版という感じはなく、1冊丸ごとという印象です。ページ数は雑誌によって異なりますが、だいたい100〜200ページぐらいです。
ただ1点、残念なのは「グラビアは全削除」です。。いや本当に残念。。
あと広告も削られています。仕事柄、どういう雑誌にどういう広告が出稿されているか興味のあるところなので、広告も残っているといいなあと思うのですが。削られる理由がわからないのですが、ダウンロードサイズを小さくするためか、出稿料との兼ね合いなのか、そんなところでしょうか。
バックナンバーもあるので読み忘れの場合にも便利
読める雑誌はどんどん入れ替わっていくのですが、週刊誌の場合、最低でも1ヶ月ほどは読めるようになっています。バックナンバーも読めるようになっていて、雑誌によって異なりますが、数ヶ月前までさかのぼって読めるものもあるようです。
例えば「AERA」の場合、現在3月23日号が最新号ですが、バックナンバーでは10号前の1月12日号まで読めるようになっています。
逆に「週刊アスキー」や「NewsWeek」など、前号までしかバックナンバーが用意されていないものもあります。このあたりは雑誌によって方針が違うようです。「週刊アスキー」「NewsWeek」は自社で配信もしているので、そのあたりが関係しているのかもしれません。
余談ですが、バックナンバーの確認方法が非常に分かりづらいです。右肩のメニューアイコンから「参加雑誌一覧」を選び、目的の雑誌をタップすると最新号とバックナンバーのダウンロード一覧が表示されます。メニューとしてはかなり深いところにあり結構見つけづらいので最初はとまどうと思います。
アプリの操作感はいまいちだがダウンロード保存ができるのは◎
バックナンバーへのアクセスがしづらいと書きましたが、アプリの操作感は、全体的に使いやすいとは言い難い印象です。どうして普通に一覧性のよいUIにできないのか疑問ですが、担当者から何かしらギミックを要求された結果かもしれません。ただし、慣れればそれほど我慢の出来ないレベルではありません。ページめくりなどの基本操作は十分に快適です。
一覧画面から読みたい雑誌の表紙をタップすると雑誌データのダウンロードがはじまります。端末に一旦保存してから読む形式です。ダウンロードしたページから読んで行けるのですべてダウンロードされるまで待つ必要はありません。むかしあった1ページ読むごとにダウンロードという形式ではないので、3G回線でもストレスはないと思います。
WiFi環境でダウンロードしておいて、後から読むことも可能です。7GB制限を考えると、自宅のWiFI環境でまとめて落としておいて後から電車などで読むのが吉かと思います。
雑誌という媒体の特性上「Retina+大画面」は必須
閲覧時にはiPadを縦位置にすると単ページ表示、横位置にすると見開きになります。自分の場合、iPad Air2を使っていますが、縦位置で単ページ表示がベストだと思います。雑誌はレイアウトが複雑だったり段組が多かったりして、かなり文字が小さくなるので、見開きで読むのは現実的ではないと思います。
たまにiPhone 6 plusで読むこともありますが、拡大して読まないとちょっと厳しいです。解像度的には十分でも、ある程度の画面サイズがないと文字そのものが小さいので読みづらくなります。
そういう意味では、7.9インチのiPad miniでも読み易いとはいえなさそうです。フルHDで5.5インチのiPhone 6 plusでもそんな感じなので、iPhone 6や5ではさらに読みづらいと思われます。基本的に大型タブレット向きのサービスであると考えるべきでしょう。
また、Retinaディスプレイは必須です。iPad 2以前の非Retina端末では画面サイズは十分でも文字が潰れてしまうため、拡大無しではまともには読めません。
その気になれば全雑誌の保存も不可能ではない(手間はかかりますが)
雑誌データはダウンロード保存されると書きましたが、任意で削除しない限り端末に保存しておけるようです。保存されたファイルのサイズはだいたい1ページあたり1MBぐらいでしょうか。上で書きましたが、だいたい100〜200ページぐらいの雑誌がほとんどなので、1冊あたり100〜200MBぐらいと考えればいいでしょう。雑誌のページ数はダウンロード時に表示されるので目安になると思います。
仮に120誌すべてをダウンロード保存した場合、単純計算で12GB〜24GBという計算になります。週刊誌と月刊誌が混ざっているので、実際には20〜30GB/月ぐらいの容量が必要かと思われます。128GBの大容量端末なら2〜3ヶ月は何とかなりそうです(dマガジン専用端末になってしまいそうですが)。
試みにiExplorerでiPadの中身にアクセスしてアプリに保存されているファイルをチェックしてみました。雑誌ごとにディレクトリが作成されて、その中に各ページのJPEGファイルが保存されているようです。これを抜けば手軽にバックアップできそうですが、ファイルはenc形式で暗号化されているので、抜き出しても見ることはできません。さすがにこういうところはちゃんとしてますね。
ただ、iPad/iPhoneの電子書籍アプリ全般に言えることですが、ページを表示させた状態で画面キャプチャしてしまえば、ページを画像として保存することが可能です。Retina対応のiPadであれば、縦位置でキャプチャすると最大2,048 x 1,536ピクセルになるので、読むには十分な解像度です。
手順としては、1ページずつキャプチャを取って、その画像をまとめてZip圧縮するか、PDF変換するかたちになります。保存したファイルはComicGlassなどのZip/PDFビューワーで読むことができます。
手間といえば手間ですが、どうしても保存しておきたい場合には試す価値はあると思います。慣れれば3〜5分程度で変換できます。また機会があれば、そのあたり記事にしたいと思います。
読み放題のビジネスモデルは版元にとってメリットはあるのか考えてみた
最近、読み放題、見放題のサービスが増えてきていますが、コンテンツ供給元への還元方法はどうなっているんでしょうね。月額400円(税抜)で120誌ですが、さすがに均等配分ということはないでしょうから、ダウンロード数に基づく配分なんではないかと思います。
ひとりあたりのダウンロード数をざっくり10冊とすると、1ダウンロードあたりの売り上げは40円になります。版元の取り分をKindleなどと同じ60%とすると1ダウンロードあたり24円。
2014年12月に会員数が100万突破(ITmedia)ということなので、月間の合計ダウンロード数は1000万件という計算になります。これを単純に120誌で割ると1誌あたりのダウンロード数は約8万件ですね。これに上記の24円をかけると、1誌あたりの売り上げは約200万程度ということになります(実際には週刊誌もあって雑誌数の母数はもっと多くなるのでこれより少なくなるでしょう)。
もちろん雑誌によってダウンロード数に違いはあるでしょうから、もっと多く売り上げられる雑誌もありそうです。とはいえ200万という金額だとカラー1ページの広告料に換算すると片手以下の数の広告料にしかならないと思われます。逆に紙の雑誌に換算すると5,000〜8,000部程度とも考えられるので、雑誌にもよるでしょうが、決して小さくない売り上げと言えるかもしれません。
雑誌の販売部数が減少しているなかで、こうやって売り上げを見込める販路があるのは、版元にとってはありがたいと思われます。参加雑誌も増加傾向にあるので、dマガジンに参加しても紙版の部数が減少するわけではないというデータが出てきているのかもしれないですね。
以上、読み手側としては非常にお得感のあるサービスですので、おすすめです。雑誌をたくさん買う人なら、iPadの料金と合わせても元が取れそうです。Retina iPadを購入した方はぜひお試しください。