安藤昇「不埒三昧―わが下半身の昭和史」を読む
安藤昇が自身の女性遍歴を語る
最近、安藤昇に興味を持っていろいろ購入したうちの一冊。
2013年刊行の書籍だが、Kindleはおろか紙でもすでに新品では入手できなくなっている。
仕方ないので中古で購入し、例によって自炊PDF化した。
安藤昇の本はそこそこ出ているが、内容が被っていそうな本が多いように感じる。
「安藤昇が語る◯◯」といった人生訓、処世訓のような内容の書籍だ。
それ系は前回書いた「男の終い仕度」で十分だろうということで、今回は安藤昇の女性遍歴にフォーカスしたこの本を選んでみた。
この歳になってもいまだに女性の扱いに悩まされている不甲斐ない男としては、男安藤昇から何か学べるところがあるのではないかという「実利」を期待しての購入だったのだが、結論から言うと少々期待ハズレだった。
自分が期待したような安藤昇の女性観や扱い方、接し方について語られる部分はそれほど多くなく、大部分は「こういう女とこんなことがあった」という内容である。
なるほど安藤昇のような男はこういう経験をしてきたのか、ということが分かるという意味ではそれなりに興味深いとは思うが、言っても人の話である。
そんなこともあるんだな、と多少感心するぐらいのことだ。
また、本人は「女に100%のめり込んだことがない」と語っているが、登場する女性との関係も事実関係だけでそれほど深掘りされているわけではない。登場する女性たちとの間で交わされた情のようなものが文面から感じられないため、なんとなく不思議な感じがした(情のない関係というわけではないのだが)。
というわけで、書籍としてはあまり高評価は与えづらい本である。
安藤昇のことならなんでも知りたいという大ファンであれば勧められるかのしれない。
自分は安藤昇ファンなので(にわかだけども)、面白く読めました。